中小企業診断士について

中小企業診断士になりたい?役に立つ?将来性は?超難関資格ホルダーが教える診断士の実態

ezakitakakazu

はじめまして。中小企業診断士の江﨑貴一と申します。平成23年に中小企業診断士として登録しました。現在45歳のおじさんです。中小企業診断士の他に、公認会計士、税理士、システム監査技術者の資格を持つ超難関資格ホルダーです。トップの画像は証明のために中小企業診断士の会員証と、各資格のバッジの写真を撮ってみました(左から中小企業診断士、公認会計士、税理士のバッジです)。システム監査技術者にバッジは無いので載せていないですが、そこだけ嘘つく必要がないのはお分かりかと思いますので割愛します。

自分で超難関資格ホルダーと言ってしまうなんてちょっとイタイですが、SEO的なキーワードとインパクト重視で書かせていただきました。

そんな私がこのブログでお伝えできるのは、「公認会計士や税理士と比べた時の中小企業診断士ってどうなの?」といったことや、「こういった難関資格ってどうやったら取れるの?」といったこと、「中小企業診断士って仕事あるの?」といったことです。

また、ずいぶん前に中小企業診断士を取得しましたが、実は2年前までは公認会計士として監査法人に勤めていました。つまり、私の中小企業診断士としての経歴のほとんどは「企業内診断士」というやつです。そこで、企業内診断士と独立診断士の違いについても実体験としてお話しすることができます。

今回この記事では、「中小企業診断士って実際のところ取る意味あるの?」といった疑問にお答えします。

中小企業診断士とは何か

中小企業診断士の最大の弱点:独占業務が無い

他の士業と言われる資格と中小企業診断士との最大の違いは、「中小企業診断士には独占業務がない」という点です。これが「この資格って取る意味あるの?」と思ってしまう最大のポイントになります。

「資格を取って独立して食べていきたい」という方は、実際に独立するとこの独占業務の有無がどれだけ自分の生活に影響するかを痛感することになります。独占業務があるというのは、その資格を持たない人がどれだけ優秀で、その業務をうまくできる素質があったとしてもやれないということです。これは、経営学でいう参入障壁です。その資格が難しければ難しいほど、資格試験という巨大な参入障壁が形成され、その内側に入りこめれば要塞内にいるも同然。激しい競争は外の話で、要塞内の比較的安全で緩やかな競争の中で食べていくことができます。

しかし、中小企業診断士にはそれがないわけです。取ったところで、無資格コンサルタントとガチで戦うことになります。無資格で食べていっているコンサルタントは真に実力があるので、非常に強力なライバルと戦うことになります。

独占業務がないと取る意味はないのか

では、中小企業診断士という資格は取る意味がないということでしょうか。私、現在「江﨑会計・中小企業診断士事務所」という事務所を開設し、開業2年目になります。開業当初、何人かの公認会計士や弁護士の方から「なんで『公認会計士』っていう言葉を事務所に入れないの?」と言われました。

これはどういうことかというと、士業の中では、弁護士>公認会計士>税理士>中小企業診断士みたいな感じで(絶対にみんなの頭の中がこうなっているわけではありませんが)序列があるので、より下位の序列に属する中小企業診断士を前面に出すのではなく、公認会計士を前面に出すべきだということです。

しかし私は、それは士業同士で勝手に感じている序列であって、私が今から相手にしようと思っている中小企業の社長さんには公認会計士と中小企業診断士の違いやどれぐらい難しいかなんてわからないのではないかという仮説を立てました。

その後、中小企業家同友会という小規模な会社の経営者が集まる会に参加したときに、そこの社長さんから「税理士はだいたいみんな顧問がいるけど、中小企業診断士っていうのは珍しいですね」といわれ、今や補助金関連の質問や支援依頼が多数寄せられるようになりました。

実は、公認会計士でかつ中小企業診断士という人は意外とたくさんいます。私は福岡県在住ですが、すでに2名の公認会計士兼中小企業診断士の方と知り合いです。しかし、通常は公認会計士の方を強調しているため、中小企業診断士であることがわかりません。

中小企業診断士の需要が急増したコロナ禍

中小企業診断士の試験科目に「中小企業政策」というものがあります。これは中小企業を支援するための国の背策についての科目ですが、仕事として中小企業診断士に求められるのが、この施策にのっとった支援を中小企業に対して行うことです。

最近活況を呈している「事業再構築補助金」ですが、このような補助金を申請するにあたっての事業計画書を作成する支援業務も中小企業診断士に求められる役割です。コロナ禍によって業績が悪化し、それまで「補助金ってなんだか面倒そうだし、本業で稼いだ方が手っ取り早い」という会社がほとんどだったのが、「本業が立ち行かなくなりそう。そうだ!補助金をもらおう!誰かわかる人教えて!」と思う会社が急増し、「補助金⇒国の施策⇒中小企業診断士」と中小企業診断士の存在感が急に大きくなりました。

アイコンとしての中小企業診断士

補助金がもらえたら成功報酬いくらというビジネスモデルで補助金獲得を支援する業者はたくさんあり、必ずしも中小企業診断士の資格を持っている必要はありません。行政書士は手続きを代行できるため、行政書士も盛んに補助金ビジネスに参入しています。しかし、「補助金=中小企業診断士」というイメージは根強く、私にも多くの相談が寄せられています。

このように、中小企業診断士は肩書としては非常にわかりやすいもので、「補助金獲得を支援する会社です、実績は○○で…」といった説明をしなくとも「中小企業診断士です」というだけでそのような相談が寄せられます。私は、税務よりも経営コンサル的なことを中心にやる方向で会社に関わりたかったので、この「中小企業診断士のイメージ」をかなり利用させていただいています。

そして案の定、中小企業の経営者に公認会計士と中小企業診断士の違いはわかりません。独占業務ではないコンサル的なことを生業としたいのであれば、はるかに難しい公認会計士の資格を取得するより、中小企業診断士の資格を取った方がコストパフォーマンスは高いと言えます。

ABOUT ME
江﨑貴一
江﨑貴一
中小企業診断士/税理士
福岡県春日市在住です。 2019年11月に独立開業しました。 監査支援業務、税務顧問、コンサルティング業務を行っています。 料金表等詳細はこちらを参照ください。
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