通学?通信?独学?あなたはどれが向いている?中小企業診断士試験タイプ別診断

中小企業診断士試験を始めようと考えた時に、「教材をどうしようか」というのが問題になってきます。教材のタイプとしては大きく通学タイプ、通信タイプ、独学タイプに分かれます。これは、万人に適したものがあるわけではなく、受験する人の状況によります。
それでは通学・通信・独学としているタイプごとの説明と、どういった人が向いているのかについて説明します。
通学講座
通学講座の特徴には以下のようなものがあります。
- 教室に通う必要がある(物理的な移動が必要)
- 講義時間が決まっていて好きなタイミングで講義を受けることができない
- 同じ教室の人とコミュニケーションを取りやすい
- 講師への質問がしやすい
これらを踏まえて、通学向きの人は以下のような人です。
- 中小企業診断士試験を最優先にすることができる
- 自分で決めたルールを守るのが苦手
- リアルな受験仲間が欲しい
- 疑問に思ったことは講師にすぐ質問して解消したい
通学のメリットは、時間が決まっており強制力がある点です。「いつでもできる」と思うとなかなかやらないのが人の性なので、その時間に講義を受けないと2度と受けられないというのは「やらなきゃ」という理由になります。また、教室で他の人と一緒に勉強することで、「みんな頑張ってるんだ」というのをリアルに実感でき、モチベーションアップにつながります。
このように、通学に向いている人は、周りの雰囲気に影響されやすく、人とコミュニケーションを取るのが好きで、時間が決まってないとなかなか勉強できない、家では勉強できないという人です。通学は受講料も高額になりがちなので、その面からも「あれだけお金払ったのだから頑張らないわけにはいかない!」と強制力を働かせることができます。
お勧めの通学講座
通学ができる学校は多くありません。教室という設備が必要で、多くの講師を抱えなければならないためです。そのため講座の金額自体もどうしても高額になってしまいますが、それだけ歴史のあるちゃんとした学校であるということです。
TAC
資格取得の学校といえばTACといった感のある学校です。安定の信頼と実績、数少ない通学講座を擁している学校の中でも最も有名で受講生が多い印象です。
1・2次ストレート本科生 295,000円
1次本科生 240,000円
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LEC
東京リーガルマインド。通称LEC(レック)も通学コースを持つ数少ない学校の一つです。リーガルマインドという名前からもわかるとおり、もともとは司法試験の専門学校だったものが総合的な資格取得の学校への発展しています。だからと言って、試験科目の経営法務が特に強いということはありません。ここも老舗の専門学校で、全国各地に教室があり安定した実績があります。
1次2次プレミアム1年合格コース通学(Webフォロー付) 264,000円
1次2次プレミアム1年合格コース通学(DVDフォロー付) 308,000円
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大原簿記専門学校
大原は私が公認会計士受験生として通っていた学校です。大原は簿記専門学校というぐらいなので、中小企業診断士の財務・会計に強いかというと、他の2校と大きく変わりません。1次試験については通学コースがなく、2次試験のみ通学コースがあります。他の2校に比べ、全般的に受講料が安いという特徴があります。
2次合格コース 教室通学 69,800円
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通信講座
通信講座の特徴には以下のものがあります。
- 教室に通う必要がない(移動の時間・コストがかからない)(通学講座との比較)
- 自分で勉強する時間を決める必要がある(通学講座との比較)
- 体系だったカリキュラムがある(独学との比較)
- 講師が講義を行ってくれる(独学との比較)
通信講座は、通学講座と独学のハイブリッドのような特徴を持っています。教材としての内容は通学講座、スケジュールなどの強制力がないことは独学に近いタイプです。このため、通学のデメリットを補い、メリットが失われ、独学のデメリットを補い、メリットが失われるということになります。
通信講座は、忙しい社会人がどうしても時間を調整できないといった場合に、自分の好きな時間に通学と同じ内容の講座を受けたいといったニーズに応えられます。通学講座に比べて鋼の意志で自ら決めた約束を守るということが必要になってきますが、働きながら資格を取るのであれば通信講座が一番現実的です。
お勧めの通信講座
通信講座は、教室という設備が不要で一人強力な講師がいれば全国どこでも映像で受講できるため、資格の学校としても有力な方法になります。前述のTAC・LEC・大原ももちろん通信コースを準備していますし、通信であれば参入できる会社が多数参入しています。
スタディング
急速に伸びているスマホで学べるオンライン資格講座です。スタディングはホームの資格講座の一番最初に中小企業診断士が掲載されており、中小企業診断士に一番力を入れていることがうかがえます。無料講座で試すことができるというのもポイントが高いです。
中小企業診断士 1次2次合格コース 63,800円
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アガルート
こちらも新興のオンライン資格講座です。合格すると全額返金するという斬新なキャンペーンを張っています。こちらはホームページを見る限り、中小企業診断士にそこまで力を入れている印象はありませんが、合格すると返金というのは面白いし、モチベーションにつながると思います。こちらは無料のサンプル講義が聴けます。
総合カリキュラム(1次・2次試験対策) 76,780円(税込)
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クレアール
「非常識合格法」というフレーズで有名な老舗の通信講座の学校です。こちらは公認会計士から始まった学校で、私は非常になじみがありますが、中小企業診断士の講座についてはそこまで強いという印象はありません。ただ、この非常識合格法という短期合格に関する手法は公認会計士だろうが中小企業診断士だろうが共通ですし、私も会計士受験時代にはこの会社の非常識合格法という本を読み、参考になることも多かったので、その手法を取り入れた講座ということであればお勧めできます。
1次2次ストレート合格パーフェクトコース 250,000円
参考サイト
資格★合格クレアール
就職・転職・キャリアアップに役立つ各種国家試験・検定など全12講座開講中。教育訓練給付制度対象講座もあります。
フォーサイト
1993年に宅建の通信講座から始まった会社で、比較的昔からある学校です。中小企業診断士講座はこの会社の中では比較的後発のようですが、サンプルテキスト等を提供しており、どんな感じかを事前に確認することは可能です。講師は3名紹介されていますが、各科目専属の講師がいないのであれば若干不安要素ではあります。
バリューセット2 2022年試験対策(1次・2次試験対策) 108,400円
参考サイト
このほか、通学でお勧めしたTAC・LEC・大原にも通信講座はありますが、通学講座に比べて若干安いとか、通学講座とセットになっているといった感じです。通学の設備を備えている学校は、それだけ維持するためのコストがかかっていますので、通信講座の受講料にもその間接コストが乗ってきてしまうのは仕方がないところです。通信講座を選ぶのであれば通信講座に特化した学校の方がコストパフォーマンスは高くなります。
参考サイト
独学
独学には以下の特徴があります。
- 自分で教材を自由にカスタマイズできる
- 低コストで教材を揃えられる
- 教えてくれる講師がいないのでわからないところを解決するのに時間がかかる
- 誰からも強制されないため自力でスケジュールを組み立てる必要がある
独学で資格を取れるのであれば、最も安価に何にも縛られることもないため理想的なのですが、現実は甘くありません。「これってどういうこと?」と思った時に独学だと誰にも聞くことができません。ちょっと聞けばわかることに長時間取られ、スケジュールはどんどん遅れといった悪循環に入ることもあります。
また、孤独に頑張らなければいけないので自分がどこまでやれているのかもよくわからず、モチベーション維持も大変です。通信講座でも似たようなことが起こりますが、カリキュラムがあるため、周りと自分の進捗の差というのがまだわかりやすいです。
「急がば回れ」という教訓がぴったりの独学のデメリットですが、実をいうと私は独学(ユーキャンの教材を買って、講義等を聞いたりはしていません)で合格しています。そこから、独学はどういう人が向いているかが見えてきます。
独学が向いているのは「一通りの知識がすでに備わっている人」です。つまり、私は公認会計士試験でほとんどの科目をすでに詳しく勉強してしまっていたので、独学でも問題なかったわけです。これは逆に言えば、「前知識がないなら独学はやめた方がいい」ということになります。
一通りの知識が備わっていなくても、東大生とかIQ150以上とか、普通の人よりもはるかに理解力が高い人である場合、難関資格に独学で合格した経験がある場合などであれば独学もいいかもしれません。しかし普通の人には絶対にお勧めできない方法です。